2015年4月20日月曜日

「親思ふ 心にまさる 親心 けふのおとずれ 何ときくらん」吉田松陰辞世の句

花燃ゆ 4月19日放送
いよいよ吉田松陰が安政の大獄で江戸送りに決まる。

杉家の家族を始め小田村伊之助(大沢たかお)らの尽力にもかかわらず、吉田松陰(伊勢谷友介)は、この機会を捉えてあくまで幕府に自分の主張を伝えようとしていた。

いよいよ江戸送りの前日、司獄の福田(田中要次)の計らいでその番だけ家に帰ることができた。
家族とのひとときを過ごした松蔭の覚悟はすでに決まっていたし、家族も葛藤の末、その気持を心の奥底に閉まって明るい振る舞いをした。
獄を離れる際は獄囚の高須久子(井川遥)から「至誠にして動かざるものは未だこれあらざるなり」
の書かれた汗拭きを手渡される。
これに感激した松蔭は、萩を一望する涙松の丘で句を読んだ。

高須久子への感謝の意を込めたものであった。
「箱根山越すとき汗のい出やせん、君を想いて拭き清めてん」

そしてもう一句
「一声をいかでわすれん郭公(ほととぎす)」
別れ際に高須久子に一声をかけてもらったことがよほど嬉しかったに違いありません。

その後吉田松陰は、伝馬町に送られついには刑死するのですが、幕閣の大勢が「遠島」の流れだったものを、松蔭自身が井伊直弼に「自分は死刑が相当である」などと主張したため、井伊直弼の逆鱗に触れて死刑となったと聴く。

その辞世の句である。

家族あての句がとても有名である。

「親思ふ 心にまさる 親心 けふのおとずれ 何ときくらん」
なんとも親を思う気持ちの深いことか、死にゆく者、必ずと言ってもいいほど親を思い子を思うものである。

もう一句

「身はたとひ 武蔵の野辺に 朽ちぬとも 留め置かまし 大和魂」
最後までその志を残す永遠の思いがよく伝わる句である。


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